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ギリシャ・ローマの女神たち

メデューサ

≪なぜ私の首を刎ねたの?≫楯にはめ込まれた顔がささやいた。
「この世はあまねく父ゼウスの光に覆われねばならない。禍々しい存在のあなた方も、かのエリューニエスどもと同じく父の足下に平伏すべきだからです」
≪ペルセウスはゼウスの命令で来たの?≫ 
楯の顔は穏やかな瞳を女神に向けた。
「・・・いいえ。そうよ!ペルセウスをそそのかしたのはあたしよ。あの筋肉馬鹿の夢枕に立って、あんたを殺すように言ったわ。そうすればゼウスにも認めてもらえるだろうってね」
≪私を倒す方法を知っているのは母メティウスだけのはず。なぜあなたがそれをご存知だったの?≫楯の顔は優しく聞いた。
「メティウス?・・・父が呑み込んだ女ね。あたしはその後、父の頭から生まれたのよ。その女の知恵を受け継いで!」
≪妹よ、あなたは姉を殺したのですね?≫楯の顔は麗しい金の髪をふるわせた。
「姉?妹?冗談じゃないわ!確かにメティウスの知恵をもらっているけど、あたしに母なんていないわよ!」
≪妹よ。あなたが私を殺した本当の訳を言いなさい。そうすれば私はあなたの楯の中で永遠にあなたの役に立ちましょう≫
「憎かったのよ!あんたの美しさと賢さは世界中に名高かったじゃないの!尊敬と畏敬はゼウスの物じゃなかったわ。あんたたち古来の女神の物だったわ。あたしは母の愛なんて知らない。あたしが父の元で生きるには あんたたちが邪魔だったんだわ!」
≪その見返りに母たち女の手から世界を?ぎ取り、男達の手に与えたのですね。 慈愛に満ちた母親の世界を、破壊と殺戮に根こそぎ変えてゆく男達の暴虐を止めるのは、そなただけになるかもしれません。
アテナよ、妹よ。
それが女たちを裏切った お前の試練となるでしょう。
私は喜んでお前の守りになりましょう≫
楯の中でメデューサはかすかに微笑み、二度とその口を開くことは無かった。

ローマ・ギリシャの女神たち―了
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